春、水温の上昇とともにアカモクは次第に熟成します。雌の株がふくらんで粘りが出たら、待ちわびた漁の合図。男たちは早朝から1日2回、船を出します。ゆらゆらと揺れる水中で光る藻姿。そこに鎌を入れ、引っ張り上げるとひと抱えもの藻がズッシリ。でも雌しべが育っていないものや小さな貝がついたものも多く、収穫のタイミングと質に見極めが要となります。
支所の若手を牽引する市川将彦さんは、他府県の例からも学ぶ勉強熱心なリーダー。「日々育ちかたが違う。集中してタイミングを見極めなければ」と海を見据えます。また素潜り漁を営む最年少の浜田博光さんは、時に直接潜って船の入りにくい場所の藻を収穫。そして、アカモクに活路を見い出した中村さんは「地元の漁業活性に役立てたい」とそんんあ若手たちに海の未来を託そうとしています。そこにはそれぞれのドラマが見え隠れしています。
▲次世代を担う若者たち(左から 寺井久延[久家旅館・旅館組合長]、浜田博光[漁師]、市川将彦[漁師])
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